Photo:SOPA Images / gettyimages
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  • TikTokがBeRealを模倣したアプリ「TikTok Now」を全世界でリリース
  • Apple、App Storeでのアプリの販売・課金を値上げへ

人気を博すサービスが現れれば、それをコピーして追随する──InstagramがSnapchatの「消える投稿」の機能を模倣して「Stories」を生み出したように、このいたちごっこはいま現在も続いている。今回、TikTokが米国のZ世代を中心に人気のアプリ「BeReal」を模倣した「TikTok Now」を全世界でリリースした。

またAppleは、iPhoneやMac向けのアプリを提供する「App Store」で、アプリとアプリ内課金の価格を値上げすると発表した。

今回の「海外テックニュース-Trend Now」では、TikTokが新たにリリースしたTikTok Now、そしてAppleによるApp Storeの価格改定について紹介する。

TikTokがBeRealを模倣したアプリ「TikTok Now」を全世界でリリース

TikTokが9月18日、新たに「TikTok Now」のアプリを米国を除く国々でリリースした。TikTokは9月15日の発表でTikTok Nowをリリースすると発表。米国ではTikTok内の新機能として、それ以外の国々では単独のアプリとしてリリースすることを示していたが、その時期については明かされていなかった。

モバイル関連のデータ分析支援を手がけるSensor Towerによると、TikTok Nowのアプリは9月18日に全世界でリリースされたという。ドイツ、スペイン、オランダといったヨーロッパや、タイ、インドネシア、シンガポールといった東南アジア、そのほか南米や中東、アフリカに至るまで、数十カ国のアプリストアでTikTok NowがリリースされているとTechCrunchは9月19日に報じている。9月20日時点で、日本のアプリストアでもTikTok Nowはダウンロードが可能だ。

TikTok Nowは、近しい友だちと近況をシェアするアプリ。10秒間の動画もしくは写真の撮影をするよう通知が届いたら、スマートフォンのインカメラとアウトカメラを使ってその場の様子を撮影して投稿する。通知を開いてから3分以内でないと撮影や投稿ができない仕様になっており、リアルタイムの自分の様子を友だちと共有することで、密なコミュニケーションを楽しむことができる。

これらの機能は、米国やフランスのZ世代を中心に人気を博しているアプリ「BeReal」を模倣したものだ。BeRealは、2020年創業のフランス発スタートアップ・BeRealが開発・提供している。「通知が届いたら制限時間内に写真を撮って投稿する」「加工済みの写真は投稿できない」といった、既存のSNSへのアンチテーゼのような機能をもつことが話題を呼び、直近のDAU(1日あたりのユーザー数)は1000万人超ともいわれる。この人気を受けて他のSNSが追随、Instagramでも同様の機能をテスト中と先月末に報じられている。

9月15日のTikTokの発表では、数週間以内に全世界でTikTok Nowのアプリをリリースするとしている。果たしてBeRealの牙城を崩せるのか、今後の動向に要注目だ。

Apple、App Storeでのアプリの販売・課金を値上げへ

Appleは開発者向けの公式サイトで9月19日、App Storeで提供するアプリとアプリ内での課金について価格を上げると発表した

対象となる国は日本、韓国、ベトナム、パキスタン、マレーシア、チリ、エジプト、ポーランド、スウェーデン、そしてユーロを通貨とする全地域となっている。改定後の価格帯についても公表されており、日本は最低価格が120円だったところ、160円と3割強の値上げをした。新しい価格は、早くて10月5日から反映されるという。

App Storeでのアプリおよびアプリ内課金の価格改定表。Appleの開発者向け公式サイトより
App Storeでのアプリおよびアプリ内課金の価格改定表。Appleの開発者向け公式サイトより

Appleは、昨今の経済環境を受けてiPhoneなどの機体について販売価格を改定、値上げを敢行していた。今回のApp Storeでの価格改定も、同様に為替レートの状況などをふまえてのものと見られる。なお、自動更新のサブスクリプションの価格については、今回の改定対象から外れている。