
- UPSIDER、総額467億円の資金調達を実施
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総額467億円の資金調達──国内スタートアップでこれまでに類を見ない大規模な資金調達が今週、発表された。法人カード「UPSIDER」を開発・提供するUPSIDERは、デットファイナンスで今回の資金調達を実施。事業拡大に伴う運転資金の確保などが目的のようだ。
今週(10/15〜10/21)の「スタートアップ最新動向-Weekly SIGNAL」では、法人支出管理の領域で台頭する海外プレーヤー、UPSIDERが開発・提供する法人カードとあと払いサービスについて紹介する。
UPSIDER、総額467億円の資金調達を実施
法人支出管理の領域で、海外・国内のスタートアップの動向に注目が集まっている。海外では2022年に入って米Brexが123億ドル、米Rampが81億ドルという巨額の企業評価価値で資金調達を実施している。この動きに呼応するように、国内スタートアップでも続々と法人支出管理サービスが躍進。その代表格が、法人カード「UPSIDER」を開発・提供するUPSIDERだ。
UPSIDERは2018年に創業、2020年に法人カード「UPSIDER」の提供を開始した。「上場のための法人カード」を掲げたサービスの主なユーザーはスタートアップをはじめとする成長企業。カードの利用限度額は最大1億円以上、申し込み手続きはウェブで完結、基本的な手数料は無料でカードは何枚でも発行できる。
また、カードの利用明細はウェブ上の管理画面に即座に反映、カードごとに利用先や限度額を設定できるなど、これまで煩雑だった経理・会計担当者の支出管理の負担を減らすことができる。同社の発表によると、「アクティブな利用企業は数千社以上、利用継続率は99%以上」だという。
2022年4月には、個人事業主や中小企業を対象とした「支払い.com」をクレディセゾンと共同で提供開始している。支払い.comは企業間取引で発生する銀行振込の支払いをユーザーが所持するクレジットカードで決済可能にすることで、ユーザーの資金繰りを改善するサービス。UPSIDERと支払い.comを合わせた累計決済金額は、500億円を超えたという。
直近での新規顧客獲得数は月間1000社以上と事業好調なUPSIDERは10月19日、467億円の資金調達を大手金融機関4社からのデットファイナンスによって実施したことを発表した。10月に入って、冒頭の米Brexは従業員の11%をレイオフしたとTechCrunchが報じている。厳しいマクロ環境や資金調達環境が要因と見られるが、UPSIDERは今後も躍進が続くのか。
その他のスタートアップニュース
エレファンテック、総額21.5億円の資金調達を実施
インクジェット印刷による環境に配慮した電子回路製造技術を開発するエレファンテックは10月17日、ANRI、信越化学工業といったVCや事業会社を引受先とした第三者割当増資により、21.5億円の資金調達を実施したことを発表した。
ジゴワッツ、総額約1億円の資金調達を実施
電気自動車用の普通充電器やカーシェアリングのためのスマートロックを開発するジゴワッツは10月18日、DGベンチャーズ、DGインキュベーション運営のOpen Network Lab・ESG1号投資事業有限責任組合、イードを引受先とした第三者割当増資により、総額約1億円の資金調達を実施したことを発表した。
Coral Capital、既存投資先グロース向けファンドを組成
VCのCoral Capitalは10月19日、既存投資先グロース向けファンドの「Coral Growth II」をクローズしたと発表した。既存投資先の中でも成長の見込まれるスタートアップに追加投資するためのファンドで、1社あたり5〜20億円の投資を計画。今回のファンド組成完了により同社の運用するファンドの総額は約350億円に達したという。
トレンドExpress、総額約33億円の資金調達を実施
中国向けの越境EC支援を手がけるトレンドExpressは10月19日、グロービス・キャピタル・パートナーズをリード投資家として、JICベンチャー・グロース・インベストメンツ、WMパートナーズ、サファイア・キャピタル、電通ベンチャーズ、DIMENSION、既存投資家であるDNX Ventures、MTG Ventures、エアトリを引受先とした第三者割当増資により、シリーズCラウンドで総額約33億円の資金調達を実施したことを発表した。
インパクトサークル、総額1.7億円の資金調達を実施
社会インパクト投資の評価を可視化するプラットフォームを開発するインパクトサークルは10月19日、三井住友海上キャピタル、ベクトル、Global Mobility Service等を引受先とした第三者割当増資により、プレシリーズAラウンドで総額1.7億円の資金調達を実施したことを発表した。
HMS、総額3億円の資金調達を実施
AIとエッジコンピューティング技術を活用したスマートカメラ「SiNGRAY」シリーズを開発・提供するHMSは10月20日、ふくおかフィナンシャルグループ子会社のFFGベンチャービジネスパートナーズをリード投資家として、西部ガスグループの投資会社・SGインキュベートおよび個人投資家を引受先とした第三者割当増資により、シリーズAラウンドで総額3億円の資金調達を実施したことを発表した。
イマクリエイト、総額1.8億円の資金調達を実施
「動き」のシェアを可能にするVRプラットフォーム「NUP(ナップ)」をはじめVRやARのシステムを企画・開発するイマクリエイトは10月20日、東大IPCをリード投資家として、Monozukuri Ventures、個人投資家を引受先とした第三者割当増資により、シリーズAラウンドで総額1.8億円の資金調達を実施したことを発表した。
テックオーシャン、総額3億円の資金調達を実施
理系新卒に特化したダイレクトリクルーティングサービス「TECH OFFER」を開発・運営するテックオーシャンは10月20日、東大IPC、三菱UFJキャピタル、みずほキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、南都キャピタルパートナーズ、ベンチャーラボインベストメントを引受先とした第三者割当増資により、シリーズAラウンドで総額約3億円の資金調達を実施したことを発表した。