
10月19日〜21日の3日間、福岡県・福岡市で開催されたB Dash Ventures主催のイベント「B Dash Camp 2022 Fall in Fukuoka」。21日には同イベント恒例のスタートアップ向けピッチコンテスト「Pitch Arena」の決勝戦が開催された。
10月20日実施の予選(ファーストラウンド)を通過した16社社のうち、審査員から高評価を得た6社のスタートアップが21日の決勝(ファイナルラウンド)に登壇。見事優勝したのは工事や建設などレガシー産業の現場遠隔支援、ナレッジ共有ツール「SynQRemote」を提供するQUANDだった。また準優勝は衛星データやAIで農地情報を可視化するサービスを提供するサグリだった。ファイナルラウンドに進出した全7社のスタートアップと事業の概要は以下のとおり。
Pictoria
AIを活用したVTuber「紡ネン(つむぎねん)」および、紡ネンをモチーフにしたNFTプロジェクトの「NEN STUDIO」を運営する。紡ネンは24時間配信に対応した、対話学習型のAIキャラクター。2022年5月に24時間配信を開始して視聴者が急増。8月には600時間連続配信を実施し、視聴回数は81万回を達成した。
nat
LiDARセンサー搭載のiOSデバイスを活用し、部屋などの高品質3Dモデルを作成・計測できるアプリ「Scanat」を提供する。独自アルゴリズムにより、1分以内に点群データと深度写真を組み合わせて、ミリ単位の計測を実現する。すでに国内の建設、ガス、製造業界中心に導入が進んでいる。
クアンド
工事や建設など現場の遠隔支援、ナレッジ共有ツール「SynQRemote」を提供する。リアルタイム通話機能では双方向からポインタ表示や描画が可能。写真や動画の検索や共有にも対応する。安川電機やJRグループでの導入実績もある。
レイヤード
医療業界向けSaaSを提供する。ウェブ問診の「Symview」、医療版CRM「Kakarite」などを提供。すでに全国3000施設以上の医療機関がサービスを利用。ウェブ問診の利用は月間70万件以上、累計600万件以上だという。
Yuimedi
ノーコード、オフラインで利用する医療データ特化型のクレンジングツール「Yuicleaner」を提供する。医療やヘルスケア領域のデータはフォーマットが統一されておらず、利活用が難しいという。それを独自の変換技術で整理し、分析する。
サグリ
衛星データとAIを活用し、農地情報を可視化するサービス「Saguri」を提供する。農地を自動で区画化する特許取得のコア技術を持つほか、衛星から取得した波長データを元に農地の生育診断や土壌診断ができる。現在、世界3万件の農家が利用している。岐阜大学発のスタートアップで、現在兵庫県丹波市に本社を置くほか、インドにも子会社を置き、サービスを提供する。
決勝の審査員は以下の通り。
- メルカリ 上級執行役員 SVP of Japan Region(メルカリグループ日本事業責任者) 青柳直樹氏
- マネックスグループ 代表取締役社長 清明祐子氏
- 野村證券 産業戦略開発部 主任研究員 武田純人氏
- じげん 社長執行役員 CEO 平尾丈氏
- Smart HR 取締役ファウンダー 宮田昇始氏
- クラウドワークス代表取締役社長 兼 CEO 吉田浩一郎氏
- B Dash Ventures 代表取締役社長 渡辺洋行氏