Photo: Y S/Unsplash
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  • 起業家を輩出した世界の大学ランキング(学部編)
  • 起業家を輩出した世界の大学ランキング(大学院編)
  • アジアでは北京大学やデリー大学が100位以内にランクイン、女性起業家数でも米名門校が強い

米国のスタンフォード大学やハーバード大学、英国のケンブリッジ大学やオックスフォード大学など、世界には数々の名門校が存在する。その中で最も多くのスタートアップ起業家を輩出した大学はどこか。

米金融情報サービス企業のPitchBookは同社が抱えるデータベースをもとに、最も多くの起業家を輩出する大学のランキングを発表した。このランキングは2012年1月1日〜2022年10月21日の間に最初投資を受けたスタートアップの創業者(共同創業者を含む)の出身大学を数えたもの。ベンチャーキャピタルからの出資を受ける14万4000人以上の起業家の出身校などのデータから作成され、学部卒、大学院卒や女性起業家などカテゴリー別に100位までのランキングが表示できる。

ランキングでは、やはり“起業大国”である米国の名門校が圧倒的な強さを見せた。本記事では「学部出身者」と「大学院出身者」からなる2つのランキングで、多くの起業家を生み出したトップ10の名門校を紹介する。

起業家を輩出した世界の大学ランキング(学部編)

「学部出身者」のランキングトップは、1427人の起業家を輩出したスタンフォード大学。次いでカリフォルニア大学バークレー校が1406人で2位に、ハーバード大学が1184人で3位にランクインした。

スタンフォード大学出身者には、Fintech企業のRobinhoodや写真共有アプリのSnap、アジアに拠点を置く配送アプリ・サービスのlalamoveなどの創業者らがいる。カリフォルニア大学バークレー校出身者は、フードデリバリーのDoorDash、物流テックのFlexport、がん診断スタートアップのGRAILといったスタートアップを創業している。

トップ10には米国の大学が9校入った。イスラエルのテルアビブ大学が唯一、ミシガン大学アナーバー校と同率7位でランクインしている。

起業家を輩出した世界の大学ランキング(大学院編)

「大学院出身者」のランキングでもトップはスタンフォード大学で3710人。2位はハーバード大学の3222人、そして3位はマサチューセッツ工科大学の2459人だった。

大学院ではテルアビブ大学のトップ10入りはならず、14位という結果。一方で7位にケンブリッジ大学、8位にオックスフォード大学と、英国の大学が2校ランクインした。その他はすべて米国の大学だ。

アジアでは北京大学やデリー大学が100位以内にランクイン、女性起業家数でも米名門校が強い

いずれのカテゴリーで絞り込んでも、トップ100ランキングの大半は米国の大学が占める。ただ、全体を見れば、ヨーロッパや中東、アジア、そしてオーストラリアの大学も、いくつかランクインしている。

例えば「学部」のランキングでは、中国の北京大学が246人の起業家を輩出して62位。インドのデリー大学は217人で68位。シドニー大学(78位)やニューサウスウェールズ大学(84位)といったオーストラリアの大学もいくつかランクインしている。

「大学院」のランキングでは、フランスのビジネススクールのINSEAD(欧州経営大学院)が15位、英国のインペリアル・カレッジ・ロンドンが20位、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスが25位といった具合に、ヨーロッパの名門校も強さを見せた。なお、日本からは東京大学 大学院が68位にランクインしている。

女性起業家数は、「学部」のランキングではスタンフォード大学が1位、ハーバード大学が2位、マサチューセッツ工科大学が3位。「大学院」のランキングではハーバード大学が1位、スタンフォード大学が2位、マサチューセッツ工科大学が3位。より多くの女性起業家を生み出したのも、米国の名門校という結果となった。