
「自然の中にもうひとつの家を持つ」をコンセプトにした、月額5万5000円(税込)のセカンドホームのサブスクリプションサービス「SANU 2nd Home(サヌ セカンドホーム)」。2021年11月のサービス開始以降、白樺湖(長野県)や八ヶ岳(山梨県)など山間部を中心に7拠点で50棟の独自開発の家「SANU CABIN」を展開している。
リリースから1年が経過したタイミングで運営元のSanuは11月22日、新モデル「SANU Apartment(仮称)」を発表した。SANU Apartmentはこれまで展開してきたSANU CABINとは異なり、山間部ではなく海から徒歩圏内の場所に拠点を構える。


また“Apartment”と銘打っているように、20室以上が連なっているのも特徴だ。その点が、一棟ごとに独立したタイプのSANU CABINとは異なる。都心部から車で90分ほど、九十九里浜の最南端にある一宮町に建設中で、開業は2023年夏を予定している。
Sanuファウンダー兼ブランドディレクターの本間貴裕氏によれば「海に面した場所に拠点を立ち上げるのは、創業時からイメージしていた」という。
「趣味のスノーボードを教わっている先生から昔、『山は意思を固めるために行くところ、海は心を落ち着かせるために行くところ』と言われたことがあるんです。その影響もあって、自分自身も自分や物事と向き合って何かを決めるために山に行き、一方でリラックスしてのんびり過ごしたいときは海に行く生活をしていました。そのライフスタイルはSANUのコンセプトに取り入れようと思っており、ようやく“海側”を形にすることができました」(本間氏)
SANU CABINはプライベートゾーンが広い構造になっており、自分自身や家族、自然と向き合って関係性や物事を深く掘り込んでいく使い方を想定する。
一方、SANU Apartmentは共用スペースが大きく、利用者が使える共有の「サウナ」や「コーヒースタンド」、「パン屋」などを取り入れる計画だという。リラックスしながら友人たちと会話を楽しんだり、初対面のSANUユーザーとコミュニケーションしたりする場にしていくとのこと。居住スペースに関しては木造二階建てとなっており、リビングとベッドスペースがフロアで仕切られているほか、キッチンやワークスペースなどの設備も用意されている。

「山で物事と向き合って意思を固める行為も、海でリラックスしながら心を落ち着かせる行為も両方大事。それらの行為を行き来することがインスピレーションにつながっていくのではないか、と思っています」(本間氏)
今回、新モデル・SANU Apartmentを発表したSanu。同社は2023年、SANU CABINやSANU Apartmentも含め、追加で100棟の着工を計画している。伊豆、軽井沢、那須に開業を予定しているほか、熱海・山中湖・八ヶ岳・北軽井沢でも新拠点の立ち上げを予定しているという。今後、山と海の両面で新規拠点の開発・展開を進めていく狙いだ。