Photo: Alex Livesey - Danehouse / gettyimages
Photo: Alex Livesey - Danehouse / gettyimages

“新しい景色”を合言葉に、サッカーワールドカップ(W杯)初のベスト8入りを目指す日本代表。“強豪国”と言われるドイツ、スペインを下しての決勝トーナメント進出には日本中が歓喜に沸いた。今夜、12月6日0時にキックオフ予定のクロアチア戦はさらなる盛り上がりが期待される。

この盛り上がりに乗じて、日本代表とは別の“新しい景色”を見たのが、サイバーエージェントが手がけるインターネット放送局のABEMAだ。

ABEMAは過去最大の金額を投資し、「FIFA ワールドカップ カタール 2022(W杯)」の放映権を獲得。W杯の全64試合を無料生中継している。"ABEMA史上最大のビッグプロジェクト”と言われるW杯の無料生中継によって、視聴者数が急増。

日本対ドイツ戦が行われた11月23日の1日の視聴者数は初めて1000万人を突破し、その後の日本対スペイン戦、コスタリカ対ドイツ戦などが生中継された2022年12月2日の1日の視聴者数は1700万人を突破するなど、ABEMAの開局史上、最高数値を記録した。また、11月21日から27日までの1週間の視聴者数は3000万人を突破するなど、こちらも最高数値となった。

2022年9月に発表された通期決算の資料によれば、これまでの週間視聴者数は1896万人だったことから、W杯の生中継によって一気に1000万人以上増えたことになる。

この反響に、運営元のサイバーエージェントも「多くの方に(W杯を)視聴いただき、ABEMAとしても1日の最高視聴者数が1700万人、1週間の視聴者数が3000万人を突破し開局以来、最高数値を更新できていることを大変うれしく思っています」とコメントした。

地上波での放送もありながら、これだけの視聴者が集まった背景にはドイツ戦、スペイン戦が後半で逆転した、という試合自体の盛り上がりもあるが、ABEMA独自の要素となったのがプロサッカー選手・本田圭佑氏による試合の解説だ。本田氏の解説はTwitterで「#本田の解説」や「#本田さん」というハッシュタグがトレンドにランクインしたほか、本田氏の解説が面白いから「地上波からABEMAに切り替える」といった人がいるほど。

本田氏の解説について、サイバーエージェントは「代表の藤田(藤田晋氏)が開幕前に『ABEMA FIFA ワールドカップ 2022 プロジェクト』のGMをつとめる本田さんの解説に関して、『型にはまらず自由にやっていただきたい、本田さんの言葉自体に力があるので』と言っています。視聴者にその言葉が届き、多くの反響をいただいていることを嬉しく思っています」と回答した。

W杯の無料生中継によって、1日の視聴者数が初の1000万人超え、1週間の視聴者数が3000万人を超えるなど、“新しい景色”に到達したABEMA。数百億円超とも言われる過去最大の金額の投資に見合うだけの成果が得られた、と言えるだろう。

今夜キックオフ予定のクロアチア戦。同試合は初のベスト8入りを懸けた戦いということから、アクセス集中による入場制限の可能性も発表されているが、はたしてどれだけの人がABEMAに集まるのだろうか。日本代表にとっても、ABEMAにとっても世紀の一戦になることは間違いない。