Photo: NurPhoto / gettyimages
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  • チャットボット「AIチャットくん」
  • FAQ作成支援「Helpfeel Generative Writer」
  • ​メール自動作成「BALES CLOUD」
  • 法人向け導入支援「AI works for ChatGPT」
  • 対話学習システム「GLOBIS AI Chat Learning」
  • 職務経歴要約「ChatGPTエンジニアキャリアまとめ(β)」

米AI開発のOpenAIは米国時間3月1日、チャットボットAI「ChatGPT」のAPIを公開した。これにより、外部の企業・開発者がAPIを利用してサービスやプロダクトを開発することが可能となり、ますます日常的なユースケースでのAI利用が浸透していくものと見込まれる。

OpenAIによるAPI提供の発表前にも、2022年11月に公開されて以降のChatGPTのユーザーの急拡大を受けて、その大規模言語モデルである「GPT-3」を活用したサービスの開発に取り組むことを表明した日本企業が続々と登場している。

今回は、ChatGPT APIの提供開始後に発表された、日本のスタートアップなどによるChatGPTやその関連技術を活用したサービスの事例をピックアップして紹介する。

チャットボット「AIチャットくん」

アプリ開発のpiconは3月2日、ChatGPT APIを活用したLINE上でコミュニケーション可能なチャットボット「AIチャットくん」をリリースした。LINEでアカウントを友達追加するのみでChatGPTを利用できる簡便さが話題を呼び、リリースから3日で20万ユーザーが登録。総メッセージ数も250万回を超えたという。1日上限5回のメッセージ送信が無料で利用可能。月額680円のプレミアムプランに加入すると、無制限でメッセージを送信できるようになる。

FAQ作成支援「Helpfeel Generative Writer」

企業のカスタマーサポート業務を支援するFAQシステム「Helpfeel」を開発・提供するHelpfeelは3月3日、FAQ作成支援ツール「Helpfeel Generative Writer」をリリースすると発表した。ChatGPTのAPIを活用しており、顧客とのメールやチャットの履歴から質問と回答をコピー&ペーストすることで、FAQのタイトルと本文が自動で生成されるという。

​メール自動作成「BALES CLOUD」

マネーフォワードグループで企業向けのSaaS比較サイト「BOXIL SaaS」などを運営する​スマートキャンプは3月3日、インサイドセールス業務支援SaaS「BALES CLOUD」にメールの自動作成機能を実装、β版として提供を開始すると発表した。顧客向けのメールで訴求したい内容を指示文として書くと、最適なメールの文面を自動で作成できるという。このメールの自動作成機能は、OpenAIが開発した言語モデルを活用し開発されている。

法人向け導入支援「AI works for ChatGPT」

2023年1月にクラウドワークス元副社長の成田修造氏がアドバイザーへ就任したデジタルレシピは、ChatGPT公開前の2022年6月からGPT-3を活用したAIライティングサービス「Catchy」を提供している。月額制での利用が可能で、2023年3月時点でユーザーは5万人超。3月3日には新たに、同製品でのGPTを活用した開発の知見を生かし、法人向けにChatGPT APIの導入を支援する「AI works for ChatGPT」を提供することを発表した。

対話学習システム「GLOBIS AI Chat Learning」

全国主要都市とオンラインでMBAプログラムを運営するグロービス経営大学院は3月3日、プログラム内でAIとの対話を通じて学習するシステム「GLOBIS AI Chat Learning」をChatGPT APIを活用して開発、リリースすると発表した。これまでの教育の知見を生かしたチューニングでChatGPTによる回答を調整することで、受講者はAIとの対話で経営学について学べるようになるという。

職務経歴要約「ChatGPTエンジニアキャリアまとめ(β)」

エンジニア向けの求人マッチングサービス「Findy」運営のファインディは3月6日、エンジニアのキャリアサマリをAIが自動作成する機能「ChatGPTエンジニアキャリアまとめ(β)」をリリースしたと発表した。この機能はChatGPT APIを活用して開発されており、エンジニアが技術に関して書いた情報をGitHub、QiitaやZennといったメディアからAIが集約。Findyのユーザーは外部メディアとの連携と簡単な経歴のみの入力で、最短20秒で職務経歴の要約を作成することができるという。

2月にはnoteがGPT-3を活用した記事制作支援機能「note AIアシスタント(β)」のリリースを発表し株価がストップ高、弁護士ドットコムがR&D組織「Professional Tech Lab」を創設、ChatGPTを活用した法律相談チャットサービスの開発に取り組むなど、ChatGPTや関連技術を活用する動きは現れ始め、期待も高まっていた。今回のChatGPT APIの公開で、ますますその動きが加速しそうだ。