ASTRA FOOD PLANで代表取締役を務める加納千裕氏
ASTRA FOOD PLANで代表取締役を務める加納千裕氏

売れ残りや賞味期限切れで販売できなくなった商品など、“本来食べられるのに捨てられてしまう食品”や“食品が廃棄されること”を指すフードロス(食品ロス)。農林水産省の推計では、令和3年度のフードロス量は523万トン。前年度より1万トン増えた。

フードロスは社会課題の1つとして取り上げられることが多いが、その中には野菜の芯や皮、ヘタといった“食品ざんさ”や“未利用農作物”などは含まれていない。

実はこれらに由来する食品廃棄の量は年間で約2000万トン。いわば大量の“かくれフードロス”が存在するわけだ。

そんなかくれフードロスの削減とアップサイクル(新たな価値をつけた製品にすること)に取り組んでいるスタートアップがある。埼玉県富士見市に拠点を構える、2020年創業のASTRA FOOD PLANだ。

同社では独自開発した食品の乾燥・殺菌装置を用いて、食品ざんさをパウダーに変える技術を持つ。このパウダーを「ぐるりこ」の名称でブランド化し、食品メーカーや飲食店などと組んで商品を開発していく構想だ。