トヨタ子会社のTRI-AD、総額879億円の投資ファンド「ウーブン・キャピタル」を設立
TRI-AD CEOのジェームス・カフナー Photo:Tomohiro Ohsumi/Getty Images

自動運転技術の先行開発分野での技術開発を目的とし、トヨタ自動車、アイシン精機、デンソーの共同出資によって2018年3月に設立された「トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント(TRI-AD)」。同社は9月10日、運用総額8億米ドル(約879億円)のグローバル投資ファンド「Woven Capital, L.P.(以下、ウーブン・キャピタル)」を設立した。

トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメントは2021年1月から持株会社ウーブン・プラネット・ホールディングスおよび事業会社ウーブン・コア、ウーブン・アルファの新体制へ移行している。新設されるウーブン・キャピタルはウーブン・プラネット・ホールディングスの傘下で、革新的なテクノロジーやビジネスモデルを開発している成長段階の企業へ投資することで、ウーブン・プラネット・ホールディングスの事業および製品・サービスの成長をサポートしていく。

トヨタ子会社のTRI-AD、総額879億円の投資ファンド「ウーブン・キャピタル」を設立
新体制図 画像提供:TRI-AD

投資対象となる領域は「自動運転モビリティ」「自動化」「人工知能」「機械学習」「データアナリティクス」「コネクティビティ」「スマートシティ」の7つ。また、ウーブン・キャピタルはアーリーステージの企業を投資対象とするToyota AI Ventures(以下、TAIV)から投資案件を引き継ぐことに加え、グローバルな投資を迅速に実施するため、他のVCファンドにも投資を実行していく予定だという。

 今回の発表に関して、TRI-AD CEO ジェームス・カフナー氏は「TRI-ADが開発するオープンなプラットフォーム『Arene』や高精度の地図を作成、共有するオープンなソフトウェアプラットフォーム『Automated Mapping Platform』、Woven Cityなどのプロジェクトにおいて、私たちは挑戦的な目標を自ら掲げていますが、この実現には多様なパートナーやテクノロジーが必要です。今後はウーブン・キャピタルによる投資活動を通じて、グローバルなパートナーと共に様々なテクノロジーを織り込み、お客様、ステークホルダー、そして社会に長期的な価値をお届けすることが可能となります。同時に、TAIVの投資先企業のうち、追加出資を必要とする成長段階の企業への投資を行うことも可能となります」とコメントした。