「薬用入浴剤 デイリーミネラル」と、連動する専用の入浴アプリ すべての提供画像:Onsen*
  • いま必要なのは「自分と向き合う」時間
  • 浴室を現代のスパ空間に
  • “別府温泉”をつきつめた薬用入浴剤「デイリーミネラル」
  • 「アプリ×入浴剤」で体験価値を増幅
  • 現代社会のオアシスとなるようなサービスへ

新型コロナウイルスの影響でリモートワークが当たり前になった。オンとオフの境目がなくなり、パソコンと向き合う時間が増えたことで「精神的に少し疲れた」と感じている人も増えているのではないだろうか。

そんな人たちに対して新しいリラックス体験を提供すべく、新たに毎日の入浴をテーマにしたサービスブランド「Onsen*(オンセン)」を立ち上げた。これは専用の入浴アプリと別府温泉発のミネラル入浴剤を組み合わせることで、自宅の浴室を「疲れを癒すスパ空間」へと変える製品だ。

応援購入サービス「Makuake(マクアケ)」限定で、体験の軸となる「薬用入浴剤 デイリーミネラル」の先行販売を行ったところ、好評の内に終了した。この秋には、本製品の一般発売も予定されている。

Onsen*がブランドとして掲げるテーマは「自分と向き合う」こと。今後のサービス拡大を前に、テーマに込められた想いや背景、そして入浴時間の価値を高めるプロダクトを開発することにした理由を紹介していく。

いま必要なのは「自分と向き合う」時間

Onsen*は、UI/UXデザインカンパニーのアジケの新規事業としてスタートさせた入浴ヘルスケアブランドだ。テーマは「自分と向き合う時間をつくる」こと。昨今、多種多様な動画コンテンツやSNSの登場により、私たちは絶えず情報の波に飲まれている。新型コロナウイルスによる生活様式の変化や、5G(第5世代移動通信システム)などの台頭により、この流れはさらに加速していくことが予想される。

少し考えていただきたい。最近、YouTubeやNetflixなどを観ず、さらにはSNSからも離れ、何にも接続されていない状態、いわゆるオフラインと言えるような時間は日々の生活の中に存在していただろうか?

大切な情報に対してひとつひとつ丁寧に向き合ったり、自分の内から湧き上がる“コト”に対してゆっくりと向き合ったりする時間は時代と共に確実に少なくなっている。

そんな状況だからこそ、私たちはこの「自分と向き合う」時間を持つことが、毎日を豊かにしていく上で、とても大事な習慣であると考えている。

かつて、こうした習慣は自然と共に過ごすことで果たされていた。これに気づいた一部の人たちは郊外に出かけたり、意識的に自然と触れ合ったりする時間を増やしている。なぜならば「自分と向き合う」時間が身体と心をメンテナンスする、いわゆる調律のような時間になるからだ。

情報の波により、SNS疲れ、自律神経の乱れが表面化し、不調を訴える人もいる。情報を遮断したくてもなかなかできない。現代人にとって情報摂取の習慣は抗いにくいものだ。そこで、私たちは生活に欠かせない「入浴」の時間に注目した。自分自身に向き合いやすく、情報が遮断されやすい場所でもあるからだ。

浴室を現代のスパ空間に

Onsen*は別府温泉発のミネラル入浴剤と、入浴時間を測るタイマーなどを備える専用アプリを組み合わせ提供するサービスだ。

アプリ内では、「ぐっすり眠りたい」「自律神経を整えたい」「発汗してリフレッシュしたい」など日常生活の悩みに応じた“入浴レシピ”と呼ばれる一連のコースを提供している。

各レシピでは温浴効果を高めるための入浴温度やおすすめの入浴時間、お風呂の入り方のコツを紹介する。レシピを開始するとタイマーがスタートし、あとは音声にしたがって入浴することで、入りすぎを防ぎつつ、リラックス効果と最適な入浴時間の案内が受けられる。

他にも入浴中は端末画面を利用した“お風呂ライト”機能を使うことで、1600万色から好みの色で浴室を照らし、視覚を癒すことも可能だ。また、雨の音や風の音といった環境音などを多数収録しており、聴覚のリラックスもサポートする。

“別府温泉”をつきつめた薬用入浴剤「デイリーミネラル」

専用アプリと併せて使うのが「薬用入浴剤 デイリーミネラル」だ。創業以来58年の間、一貫して別府温泉の効能を追求する湯の花配合製品のメーカー、“ヤングビーナス薬品工業”と作り上げた温泉ミネラル豊富な入浴剤である。

別府の大地から長い時間をかけ精製した"湯の花成分"を基剤配合しており、硫黄の匂いを抑えつつも温浴効果を高め、温泉のような湯上がり感を提供する。入浴剤に含まれる温泉成分がお湯に溶け出すことで、水道水に比べまろやかな入り心地となるのだ。お湯のテクスチャ(質感)や香りが、触覚・嗅覚から在宅勤務やPC作業などの疲れた身体にリラックスした気分を届けてくれる。

また、入浴剤の表面には香りを模したイラストのステッカーが貼られている。このステッカーにはNFCタグ(ICチップ)が埋め込まれており、手持ちのiOS端末(iPhone7以上)でこの部位に触れると、オリジナルのコンテンツも楽しめる。

例えば、ヒノキのイラストのステッカーをスキャンすると、ヒノキに対応する入浴レシピがアプリから起動し、香りをイメージした専用BGMを楽しめる。

プロダクトの開発にあたっては、アプリ連動における「洗練さ」を意識しながらも、温泉や入浴が持つ「やさしさ」、そして幅広い人に親しんでいただける「分かりやすさ」を同時に体現した広義のデザインを行った。

この入浴剤は一般発売開始以後(10月中予定)、アプリ内や公式ECサイトからポスト便で気軽に購入することができるようになる予定だ。

「アプリ×入浴剤」で体験価値を増幅

なぜ私たちが「アプリ×入浴」を提案するのか。その話をするためにまず技術の話を2つしたい。1つ目が端末の防水性能の向上だ。

ブランドとしては防水ケースの使用をおすすめしているが、iOSの端末性能が向上したことにより、防水基準に準拠した上で浴室の使用が可能になった。つまり浴室のような水場でデジタル端末が利用できる。

そして2つ目は、NFCをはじめとする非接触通信技術の進歩と一般化だ。

NFCとは「Near Field Communication」の略称で、近距離無線通信の技術規格のことである。端末(機器)同士が触れなくても「かざす」ことで通信が行えるテクノロジーを指す。たとえば、おサイフケータイや交通系ICカードなどに使われているFeliCaという通信技術も、非接触通信規格のひとつだ。近年のiOS端末を使えば、誰でも簡単にこの通信が利用できるようになっている。

Appleが今年発表した、クルマの鍵をデジタル化しiPhoneから解錠等を行えるシステム「CarKey」も、この技術を活用したものであり、今後さらに技術の活用は加速していく。
こうした技術の発展をもとに私たちが目指すのは、「入浴剤(モノ)が持つ体験価値をアプリで拡大していくこと」だ。

かつて、Webが主流の時代は「EC(モノ)+メディア」という形態が一般的だった。モノがもつ背景や歴史的価値をメディアが補い、その価値を伝達していた。

私たちは今回、モノの価値を増幅・伝達する機能を補う媒体としてモバイルアプリを選定した。例えば、入浴剤と同時に使用できるバスライト機能やBGM、もしくはその使い方を案内してくれるレシピなどだ。

入浴剤(モノ)とアプリが相互に補完・作用しあい、入浴時間の体験価値を大きくすることが可能となる。モノとアプリが合わさることで、ユーザーの体験が豊かになる。お風呂を楽しみたい人が入浴剤を入れ、アプリでリラックス効果を高め、ゆっくりと自分のことを考えるまでが一連の体験だ。

事業者の視点でいえば、リアルやオンライン、消費財の役割などの境界線をなくしたサービスを提供することが重要だと考えている。

現代社会のオアシスとなるようなサービスへ

今後、アプリの展開は次のように考えている。まずは入浴しながら行えるマッサージのコンテンツや、朗読に耳をすましながら入浴できるコンテンツを提供するなど、入浴を通して自分自身の感覚を研ぎ澄ますような時間を過ごせるようにする。そのためのコンテンツを現在準備しているところだ。

また入浴剤(モノ)の面ではより多様なニーズに応える香りやテクスチャのラインナップを強化していく。温浴効果を高める、別府温泉の湯の花成分は体験のコアだ。

そして会社で培ったUX/UXデザインの知見を生かし、モノ+アプリ両者の補完や作用を更に強めていく。まずは日々の入浴と、それによるセルフケアという領域においてより良い時間を過ごしてもらえるよう、サービスを通して提供する体験価値をさらに高める。

「少し疲れた」と感じた時にはOnsen*を使ってほしい。現代人が必要な時に自分と向き合い、自らを整えられる、そんなオアシスとなるような場所と時間を毎日の暮らしの中に私たちは創出していきたい。

佐藤 晃(さとう あきら)
入浴ヘルスケアブランド「Onsen*(オンセン)」プロダクトマネージャー。月間約1300万人が利用するメディア&サブスク事業にてデジタルマーケティングや新規アプリ立ち上げに従事後、アジケに入社。UX/UIデザインの手法を用いたクライアントワークの経験を軸に、社内新規事業にて本プロジェクトを発案、現在に至る。