フードデリバリーサービス「Wolt」の配達員
フードデリバリーサービス「Wolt」の配達員 Wolt Japanのプレスリリースより

2020年に上陸したフィンランド発のフードデリバリーサービス「Wolt」は日本での事業展開を更に加速させようとしている。

Woltを提供するWolt Enterprises(以下、Wolt。日本法人はWolt Japan)は2014年にフィンランドの首都・ヘルシンキで設立されたスタートアップだ。同年ヘルシンキでサービス提供を開始し、現在は世界23カ国・129の都市で展開している。

日本では昨年の3月に広島県でローンチし、10月には東京都でのサービス提供を開始した。今では北海道・札幌市や福岡県・福岡市を含む9都市で展開。今後、数年以内に日本国内の100都市でのサービス展開を目指すという。

Woltは1月26日、日本を含む世界の新規都市への進出と経営基盤の強化を目的として、約550億円の資金調達を実施した。

資金調達の引受先は、既存投資家では海外ベンチャーキャピタルのICONIQ Growth、83North、Highland Europe、Goldman Sachs Growth Equity、EQT VenturesとVintage Investment Partnersが参加。さらにTiger Global、DST、KKR、Prosus、EQT GrowthとCoatueも新規投資家として加わった。

今回の資金調達を経て、Woltの累計調達額は約888億円となった。ジャパン・カントリーマーケティングマネージャーの新宅暁氏によると、今回調達した資金は日本市場においては主に基盤強化のために使われるという。

新宅氏は登録ユーザー数などの具体的な数字は開示しなかったものの、「Woltは日本市場においてもユーザーは定着してきており、アプリストアにおいても高い評価を受けている」と説明する。日本でのローンチからはまだ1年弱だが、確かな手応えを感じたため、従業員数を現在の130名から230名程度に増やすことで100都市での展開に備える方針だという。

新宅氏いわく、Woltの最大の強みは優れたカスタマーサポート体制、そして競合サービスには掲載されていないようなユニークなレストランを揃えていることだ。そのため、カスタマーサポートの担当者やレストラン開拓を担当する営業担当者を中心に採用を進める。また、Woltでは日本でもコンビニやスーパーマーケット、小売店などの商品の配達を近日中に開始する予定だという。

「Woltは、コンビニ、スーパーマーケット、ドラッグストア、衣料品店、玩具店など、あらゆる分野における商品の配達を、事業展開するほとんどの地域で行っています。現在、日本ではコンビニ、スーパーマーケットやさまざまな小売店と話をしていて、上半期には何かしらの取り組みをスタートさせたいと思っています 」(新宅氏)