GITAIのプレスリリースより

国内最大級の成長産業領域向け情報プラットフォーム「STARTUP DB」。1万2000社を越える企業の情報を保有するSTARTUP DBのデータを元に、注目のスタートアップの資金調達情報をサマリ形式で紹介する。今回は3月1週の注目資金調達情報だ。

インフキュリオン

  • 調達額:24億円
  • 合計資金調達額:32億900万円
  • 調達先:JPインベストメント / 三菱UFJキャピタル / セレス / TIS / 凸版印刷 / りそな銀行 / 大日本印刷 / マネーフォワード
  • 備考:複数の金融機関に新株予約権社債を発行

インフキュリオンは店舗の決済ゲートウェイサービス「Anywhere」、QRコード対応のウォレットASPシステム「ウォレットステーション」など、決済×テクノロジーを軸としたDXサービスを提供しているスタートアップ。

インフキュリオンは、スマートで安全なキャッシュレス社会を実現するため、3つのアプローチをとっている。1つ目がクライアントとともに新規事業を創出する共創コンサルティング型、2つ目がフィンテックベンチャーとして自らの手で事業を創出するスタートアップ型、3つ目が有望ベンチャーへのハンズオン投資を通じて事業を創出するインベスト型である。また、メディア運営やFintech協会活動などを通じて、業界発展と事業機会創出のための活動も行っている。

2021年3月にはJPインベストメント、三菱UFJキャピタル、セレス、TIS、凸版印刷、りそな銀行、大日本印刷、マネーフォワード、また複数の金融機関に新株予約権社債を発行しており、合わせて総額24億円の資金調達を実施した。今回の資金調達によって、各サービスの機能強化を図るとともに、新サービスの企画・開発を加速させ、日本における“Embedded Finance”を推進していく方針だ。

GITAI

  • 調達額:18億円
  • 合計資金調達額:24億2300万円
  • 調達先:グローバル・ブレイン / スパークス・イノベーション・フォー・フューチャー / 大和企業投資 / 第一生命保険
  • 備考:シリーズBラウンド / スパークス・イノベーション・フォー・フューチャーは宇宙フロンティア投資事業有限責任組合を通じて出資 / 大和企業投資はDCIベンチャー成長支援投資事業有限責任組合を通じて出資 / グローバル・ブレインはEP-GB投資事業有限責任組合を通じて出資

GITAIは宇宙用作業ロボット「G1」、「S1」等のロボットを開発しているスタートアップ。

G1は宇宙ステーション船内外や月面基地開発における汎用的な作業を遂行することを目的に開発された半自律・半遠隔の双腕ヒューマノイドロボットである。AIを用いた自律制御と地上のオペレーターが専用のGITAIロボット操縦システム「H1」を用いて行う遠隔操作を組み合わせることで、従来のロボットでは困難であった汎用的な作業(スイッチ操作、工具操作、柔軟物操作、科学実験作業、組み立て作業、負荷の高い作業など)を1台のロボットで遂行できる性能を実現している。災害救助や宇宙開発といった法人向けの提供も想定しており、人形ロボットでのテレプレゼンスを目指して今後も開発していくと考えられる。

2021年3月にはスパークス・イノベーション・フォー・フューチャー、大和企業投資、第一生命保険、エプソンクロスインベストメントからシリーズBラウンドとして総額18億円の資金調達を実施した。

カミナシ

  • 調達額:11億円
  • 合計資金調達額:12億7000万円
  • 調達先:BEENEXT / Coral Capital
  • 備考:シリーズAラウンド / BEENEXTはALL STARS SAAS FUNDを通じて出資

カミナシはブルーカラーの現場管理のためのプラットフォーム「カミナシ」を開発・提供するスタートアップ。

カミナシは、工場や店舗などの現場において、従来、紙やエクセルで行われていた点検記録や作業記録などの手書き情報をデータ化し、集計から報告、改善までの現場管理業務をノーコードで業務アプリにすることができるプラットフォーム。正しい作業手順の徹底や作業記録のリアルタイムな一元管理を実現している。プロダクトローンチから8カ月で導入社数は約70社を数え、14の業界に導入されている。

2021年3月にシリーズAラウンドでBEENEXTとCoral Capitalなどから約11億円を調達したことを発表した。今回調達した資金は、カミナシの開発および採用・組織体制の強化にあてる予定だ。また生産工程に代表される、より複雑度の高い現場業務フローのデジタル化の推進や、IoTセンサー、AIなどの最新技術との連携、他の現場向けサービスとのカミナシ上でのシームレスなAPI連携などを実現していくという。

Okage

  • 調達額:5億5,000万円(融資含む)
  • 合計資金調達額:10億3700万円
  • 調達先:TBSイノベーション・パートナーズ / K4 Ventures / みずほキャピタル / 農林中央金庫 / グローバル・ブレイン / 商工組合中央金庫
  • 備考:グローバル・ブレインはKDDI Open Innovation Fundを通じて出資

Okageはモバイルオーダーやセルフレジを中心にクラウドで店舗データを一元管理できるフードサービスDXプラットフォーム「Okageシリーズ」を提供する企業。

Okageシリーズは外食業界の3大課題である人手不足・インバウンド対応・中食対応を、自動化・多言語対応・モバイルオーダー・セルフレジなどで実現するクラウド型店舗ソリューションである。また、同社が提供する「オーダーブック」は紙のメニューイメージをそのまま簡単に注文アプリ化ができ、紙の閲覧性とECの効率性を両立させたサービス。短期間で電子化されたメニューの作成ができるため、アルバイト店員などの入替えやシフト勤務のための集合研修などオペレーション教育に時間をかける必要がなくなる点が高い評価を受け、大手外食チェーンを含む多数の店舗で導入が進んでいる。
2021年3月にはグローバル・ブレイン、農林中央金庫、TBSイノベーション・パートナーズ、K4Ventures、みずほキャピタル、商工組合中央金庫を引き受け先に5億5000万円の資金調達を実施。本調達によりこれまでに提供してきた同社のサービスを更に進化させることで、“フードサービスDXプラットフォーム”としての位置づけを目指していく方針。

Nota

  • 調達額:5億円
  • 合計資金調達額:7億200万円
  • 調達先:One Capital / 博報堂DYベンチャーズ / パーソルプロセス&テクノロジー / セールスフォース・ドットコム
  • 備考:シリーズBラウンド

スクリーンショットを使ったコミュニケーションと情報収集のためのツール「GYAZO」などの開発を行っているスタートアップ。

GYAZOは、PCやスマホのスクリーンショットを簡単に共有でき、さらにはGIF画像やウェブサイト、動画なども簡単に検索・共有・保存できるサービスだ。アイコンをクリックもしくはショートカットで撮影し、SNSやチャットにURLをペーストして画像を共有するだけで誰でも活用できる。他にも、あらゆる情報を自動で整理することができる知識共有サービス「Scrapbox」や検索型FAQSaaS「Helpfeel」などの提供も行っている。特にHelpfeelはFAQ検索ヒット率98%を実現する技術“意図予測検索”が活用されており、質問の予測パターンを50倍以上に拡張し、ユーザーが用いる様々な言葉から、質問を予測するという。同サービスを使用したことで、問い合わせ数が従来の6割まで減った企業もあるという。

2021年3月にはOne Capital、セールスフォース・ドットコム、博報堂DYベンチャーズ、パーソルプロセス&テクノロジーからシリーズBラウンドで5億円の資金調達を実施した。調達した資金は、Helpfeelをはじめとする各プロダクトの開発推進、マーケティング及びセールス活動の拡充、採用の強化に投資し、顧客基盤をさらに拡大していく方針だ。