
約2カ月前──2021年1月末頃から急速な勢いで盛り上がりを見せた米国発のサービスを覚えているだろうか。そう、招待制の音声SNSアプリ「Clubhouse」だ。
最初はスタートアップ界隈の人たちを中心に利用が進み、その後タレントや芸能人などが参加。そこから人気に火がつき、一時はAppStoreの無料アプリランキングのトップに躍り出た。
連日連夜、さまざまなルームが開設されていたClubhouseだが、今ではブームは一旦落ち着いた印象で、3月30日現在、無料アプリランキングでは200位以下の圏外にまで落ちており、ソーシャルネットワーキングランキングでも24位だ。
DIAMOND SIGNALでもClubhouseには注目しており、過去にはClubhouseを紹介したり、人気の理由を識者に聞くなどして、いくつか記事を掲載した。
その当時、Clubhouseユーザーの間で話題になったのが“ガイドライン”の問題だ。TwitterなどのSNS上では相互フォロー目的の無音部屋が「ガイドライン違反だ」と問題視されたり、「黙々と自習や作業をするための“もくもく部屋”としての無音部屋も違反か」、といった類の疑問が頻繁に投稿されたりしていた。
Clubhouseのガイドラインは随時更新されているものの、当時は英語版のみのガイドラインしかなく、日本語対応はされていなかった。「日本語のガイドラインがなくては今後も混乱が続くのではないか」と思い、筆者は2月1日、運営元であるAlpha Exploratinに「ガイドラインの日本語化は検討しているか?」、「日本のユーザーに注意して欲しいことはあるか?」などといった質問をメールで送信していた。

直後に自動返信メールがきたものの、実際の回答が来たのは2月10日。回答メールには「記事の内容、媒体、筆者、掲載日などの詳細を教えてください」とあり、筆者は「掲載は2月15日を目指している」と当日中に内容などを返信したが、それ以降返事が返ってくることはなかった。
それから1カ月以上が経った3月26日。もはや問い合わせをしていたことすら忘れていたタイミングでAlpha Exploratinから1通のメールが届いた。そこには問い合わせフォームへのリンクが貼り付けてあり、メールの内容も「適切なメンバーに迅速に対応させるため、(問い合わせフォームから)詳細を送っていただけないでしょうか? 頻繁にいただく質問に関してはKnowledge Centerを参考にしてください!」というものだった。
アプリの調査データなどを提供するAppAnnieによると、Clubhouseのダウンロード数は3月1日の時点で約1140万件。国別の割合では米国がトップの300万件、日本は2位の170万件だった。Clubhouseは多くのユーザーを抱えている以上、ガイドラインや利用規約、個人情報保護方針の日本語化は急がれるべきだが、現時点では対応されていない状況だ。
ドイツでは英語の利用規約・個人情報保護方針しか用意されていないことが一般データ保護規則(GDPR)に違反している疑いがあるなどとして、消費者保護団体に告発されたClubhouse。日本語対応はこの先どうなるのだろうか──筆者は回答を得られることを今も期待している。