画像はすべてアップルが開催した発表会のキャプチャおよび提供写真より
画像はすべてアップルが開催した発表会のキャプチャおよび提供写真より
  • Apple M1を搭載した7色展開のカラフルな「iMac」
  • 5G通信にも対応、CPU性能は最大50%向上した「iPad Pro」
  • Appleの「探す」を活用した紛失防止デバイス「AirTag」
  • AirPlayの機能を強化した次世代の「Apple TV 4K」

米アップルが現地時間4月20日、オンラインで新製品発表会「Apple Event:Spring loaded.」を開催。そのイベントで新しい「iMac」、「iPad Pro」、「Apple TV 4K」、「iPhone 12」の新色、そして紛失防止デバイス「AirTag」を発表した。

Apple M1を搭載した7色展開のカラフルな「iMac」

新iMacは薄さ11.5mmで均一のスレート型ボディ、カラーバリエーションは7色
新iMacは薄さ11.5mmで均一のスレート型ボディ、カラーバリエーションは7色

今回のイベント最大のトピックは、ディスプレイ一体型デスクトップPC「iMac」の新モデルだ。ARMベースの自社設計SoC「Apple M1」を搭載、従来は独立していたCPUやメモリ、GPUなどの機能が一体化されたことによりマザーボードが大幅にダウンサイジングされ、薄さ11.5mmで均一のスレート型ボディが実現された。

カラーバリエーションは7色、アルミボディでありながら初代iMacを彷彿とさせるポップな雰囲気だ。インプットデバイス(Magic Keyboard、Magic Mouse、Magic Trackpad)のカラーリングも、本体とマッチしている。

歴代iMacの横顔
歴代iMacの横顔

ディスプレイは24型で4.5K解像度(4480×2520ピクセル)を採用。ただし狭額縁とすることで、横幅は従来の21.5型と同等に抑えている。

オーディオ・ビジュアル機能も大幅にリファインされた。スピーカー部は、低域再生にくわえ振動軽減の仕組みを備えた「フォースキャンセリングウーファー」2基とツイーター1基をL/Rに搭載した6スピーカーシステムに進化。Dolby ATMOSなどの空間オーディオにも対応するという。

ビデオ通話のニーズ増大を受け、カメラとマイクの性能も強化。FaceTime HDカメラのセンサーは大型化され、解像度も1080pに引き上げられた。

Apple M1の採用によりマザーボードが大幅に小型化された
Apple M1の採用によりマザーボードが大幅に小型化された

M1に搭載されている画像信号プロセッサ(ISP)やNeural Engineと連係し、毎秒1兆を超える演算処理で露光やホワイトバランスの調整、ノイズリダクションなどの処理を行うことにより、明るく緻密な映像を実現。マイクは3基を搭載、ビームフォーミングによって話者の声も自然にはっきり聞こえるとのことだ。

新iMacの予約受け付けは4月30日からスタートし、出荷は5月後半を予定している。ラインナップは8コアCPU・7コアGPUと、8コアCPU・8コアGPUの2モデル、メモリは8GBと16GBから選択でき、日本での販売価格は15万4800円(税込)からとなっている。

ビデオ通話のニーズ増大を受け、カメラとマイクの性能も強化されている
ビデオ通話のニーズ増大を受け、カメラとマイクの性能も強化されている
低域再生にくわえ振動軽減の仕組みを備えた「フォースキャンセリングウーファー」を2基搭載するなど、スピーカー設計が一新されている
低域再生にくわえ振動軽減の仕組みを備えた「フォースキャンセリングウーファー」を2基搭載するなど、スピーカー設計が一新されている
Touch ID搭載Magic Keyboardも登場
Touch ID搭載Magic Keyboardも登場

5G通信にも対応、CPU性能は最大50%向上した「iPad Pro」

新しい「iPad Pro」
新しい「iPad Pro」

新しい「iPad Pro」は、2020年秋発売のMacBook Airや新iMacに採用された自社設計SoC「Apple M1」(8コアCPU・8コアGPU)をiPadシリーズとして初めて採用。A12Z Bionic搭載の前モデルiPad Proと比較するとCPU性能は最大50%、グラフィックス性能は最大40%向上したという。Wi-Fi+Cellularモデルは5G通信にも対応する。

「M1」の採用により、初代iPadと比較して75倍ものCPU性能向上を果たしたという
「M1」の採用により、初代iPadと比較して75倍ものCPU性能向上を果たしたという

12.9インチと11インチの2モデルがラインナップされ、12.9インチモデルには2732×2048ピクセルの「Liquid Retina XDR」液晶を採用されている。

バックライトに1万基以上のミニLEDを配置することにより、フルスクリーン時1000ニト、ピーク時1600ニトという最大輝度を実現した。コントラスト比は100万:1、P3高色域と120Hzのリフレッシュレートに対応した画質重視の設計となっている。11インチモデルの「Liquid Retina」液晶は解像度2388×1668ピクセル、最大輝度600ニトだ。

12.9インチモデルの「Liquid Retina XDR」液晶には、バックライトに1万基以上のミニLEDが配置されている
12.9インチモデルの「Liquid Retina XDR」液晶には、バックライトに1万基以上のミニLEDが配置されている

カメラも強化、背面にはF1.8・1200万画素(広角)とF2.4・1000万画素(超広角)の2基を搭載した。前面カメラも超広角タイプとなり、FaceTimeなどビデオ通話時には被写体が中心に位置するよう自動でデジタルズームするセンターフレーム機能が用意された。

外部インターフェイスは前モデル同様USB-Cを採用するが、最大転送速度40Gbpsという高速データ転送規格の「Thunderbolt 3」にも対応。端子形状はそのままに、6Kディスプレイや高速ストレージの接続が可能となった。

国内販売価格は11インチモデルが9万800円から、12.9インチモデルが12万9800円から(いずれも税込)。iMacと同じく予約は4月30日開始、発売は5月後半を予定している。

Macから取り出した「M1」をiPadに移し替える青年、実は...というムービーが流された
Macから取り出した「M1」をiPadに移し替える青年、実は...というムービーが流された

Appleの「探す」を活用した紛失防止デバイス「AirTag」

紛失防止デバイス「AirTag」
紛失防止デバイス「AirTag」

バッグなどに取り付け探索を可能にするデバイス「AirTag」も発表された。iPhoneの「探す」アプリを利用し、AirTagの現在位置を調べることができる。

「探す」アプリでMacやAirPodsの現在位置を調べる機能は以前から提供されていたが、AirTagは「正確な場所を見つける(Precision Finding)」に対応。

U1チップがサポートするUWB(超広帯域無線)やカメラ、加速度センサー、ジャイロスコープの情報を組み合わせることにより、iPhoneからAirTagまでの正確な方向と距離をユーザーに案内する。U1チップ搭載のiPhone 11以降で利用できる。

AirTagは、10億台以上のApple製デバイスによって構成される「『探す』ネットワーク」経由で検索される。AirTagが発したBluetoothの信号が検知されると、暗号化された通信によりその位置を通知してくれる仕組みだ。

USBやカメラ、センサーなどを利用して正確な場所を調べることも可能
USBやカメラ、センサーなどを利用して正確な場所を調べることも可能

他人が紛失したAirTagを発見した場合には、iPhoneやNFC対応デバイスをかざすと、持ち主が登録している電話番号の表示とWebサイトへの案内が行われるという。

国内価格は1個3800円、4個パックは1万2800円(税込)。別売りのアクセサリーとしてポリウレタンループ(3800円)や、特別仕様の皮革を使用したレザーループ(5500円)が用意されるほか、特別な刻印が入ったエルメスモデルもラインナップされる。

AirTagの予約開始は4月23日午後9時(日本時間)、発売は4月30日を予定している。

文字・絵文字を刻印するパーソナライズにも対応
文字・絵文字を刻印するパーソナライズにも対応

AirPlayの機能を強化した次世代の「Apple TV 4K」

4K対応セットトップボックスもリニューアルし、第2世代の「Apple TV 4K」として披露された。SoCはA12 Bionicにアップデートされ(2017年発売の第1世代はA10X Fusion)、アルミ製の新型リモコン「Siri Remote」が付属する。

新しいApple TV 4Kは、ハイフレームレートのHDR映像とDolby Visionをサポート。60fpsという動きの速い映像をより滑らかに再生でき、FOX SportsやNBC Universalなどのメディアが提供するハイフレームレートHDRのストリーミング映像も視聴できる。

ハイフレームレートのHDR映像とDolby Visionをサポート、動きの速い映像をより滑らかに再生できる
ハイフレームレートのHDR映像とDolby Visionをサポート、動きの速い映像をより滑らかに再生できる

AirPlayの機能強化も実施。iPhone 12 Proで撮影した60fpsのDolby Vision映像をハイフレームレートのまま再生可能になったという。

カラーバランス調整(キャリブレーション)機能も追加された。メーカーやモデルによって異なる色味の違いを、画面の案内に従いiPhoneをディスプレイへ近づけることにより自動調整できるようになった。

Face ID対応のiPhoneを使用するカラーバランス調整(キャリブレーション)機能も追加された
Face ID対応のiPhoneを使用するカラーバランス調整(キャリブレーション)機能も追加された

この機能はApple TV 4K(第1世代以降)やtvOS 14.5を搭載したApple TV HDでも利用できるようになるが、iOS 14.5以降を搭載したFace ID対応iPhoneが必要となる。

Apple TV 4Kの発売日は5月下旬、予約は4月30日から。価格は内蔵ストレージ32GBモデルが2万1800円、64GBモデルが2万3800円(税込)となっている。

iPhone 12に新色「パープル」も追加された
そのほかiPhone 12の新色「パープル」も発表された