
- 称賛とねぎらい系スタンプが並ぶ、note
- 特別賞に社長の名前スタンプがランクインした、newn
- 雄叫びと徳が行き来する、LayerX
- 堂々1位に「神」スタンプが輝く、パラレル
- 期待どおり猫スタンプがずら〜りな、RABO
- だるまスタンプでスローガンを表現する、ヘイ
- Slack上で社員を快く休日へ送り出す、10X
- 感謝や謝罪より、共感と賛同を伝えるスタンプが多数
2020年3月には全世界の“同時接続”ユーザー数が1250万人に到達。今や私たちが仕事をする上で欠かせないコミュニケーションツールとなったのが「Slack」だ。最近ではテキストのほか、複数人と音声でやりとりができる「ハドル機能」も登場し、ますます必要不可欠な存在になっている。
そんなSlackには、スタンプという機能がある。
Slackのスタンプは、テキストを打つまでもない“何気ないやりとり”で多く使われる。では、スタートアップで最も使われているスタンプは“何気ないやりとり”をどう映し出しているのだろうか?
そこでDIAMOND SIGNALは、過去に取り上げたことのあるスタートアップ7社に「社内で最も使われているSlackスタンプ」を調査。1位に共通していたのは……?
称賛とねぎらい系スタンプが並ぶ、note
文章、写真、イラスト、音楽、映像といった作品を個人のユーザーが配信できるメディアプラットフォーム「note」。運営元であるnoteのSlackでは、スタンプ上位に「クラッカー」「お大事に」「ありがとうございます」が並ぶ。どれも相手を称賛、ねぎらう際に使われているという。

特別賞の「常リダプ」とは、同社のバリューである「つねにリーダーシップを」を表したスタンプだ。当事者意識を持って率先して行動した社員の投稿に送られている。
「特別賞に入らなかったものの、『愛』『神』『草』の3文字もだいぶ接戦していました」(同社広報担当)
特別賞に社長の名前スタンプがランクインした、newn
小柄女性向けブランド「COHINA(コヒナ)」やオンライン限定のチーズケーキブランド「Mr. CHEESECAKE(ミスターチーズケーキ)」、2021年7月にはミラー型デバイス「embuddy(エンバディ)」の提供を開始したnewn(ニューン)。
同社の1〜3位に並んだスタンプはすべて、相手を称賛するときに使っているのだろう。気になるのは、特別賞に同社代表である中川綾太郎氏の愛称である「あやたん」が入っていることだ。社員間での会話のなかで、社長が名指しで呼ばれやすいということだろうか。

「特に弊社らしいものや変わったものはなく、ご説明するほどでもないものばかりでして……淡白な組織のようです」(同社広報担当)
雄叫びと徳が行き来する、LayerX
そして、DX関連サービスの開発を手がけるLayerXで最も使われているスタンプがこちら。1位は何かしらを肯定するシーンで使われていることはわかるが、2位の「うおおおおおおおおおお!!!」と特別賞の「徳」は一体何だ。LayerX社内では興奮するシーンが多いということだろうか。

「『うおおおおおおおおおお!!!』は契約が決まったり、記事として取り上げていただいたりなど、いいことがあったらお祭り気分で使っています。特別賞の『徳』とは、弊社の行動指針の一つ。社会の発展や誰かの助けになる行動に対して、『仲間や社会から信頼を得られる行動だね』という意味で使っています」(同社広報担当)
堂々1位に「神」スタンプが輝く、パラレル
スマホゲーム専用音声通話アプリ「パラレル」を展開するパラレルで最も使われているスタンプは「神」。2位の「woman-gesturing-ok(女性が両手で丸を描いているもの)」は、問い合わせなどに対してライトに返信するときに使っているという。

そして3位の「お大事に」と、特別賞の「BACK」。パラレルはスタンプで気軽に勤怠を伝えられる風土があるとわかる。
期待どおり猫スタンプがずら〜りな、RABO
猫の見守りデバイス「Catlog(キャトログ)」を開発するRABOは、やはり猫関連のスタンプが多いのだろうか。見てみると、予想通り同社のお客さまとも言える猫がランキングにずらりと並ぶ。

そのほかRABOで働く社員の猫たちもSlackスタンプ化され、多く使われている。

「1位と2位は、お客さまやメディア露出を見て『やっていき!(さらにやっていきます!、やる気が出ました!)』となった投稿で多く押されています。2位は猫様のお導き的な投稿や神がかったパフォーマンスに対して『神』スタンプの代わりに押されているようです」(同社広報担当)
だるまスタンプでスローガンを表現する、ヘイ
決済・EC事業を展開するヘイでは、1位は「ありがとうございます」、2位は「done」、3位は「お願い」を示すスタンプが並ぶ。

そして特別賞に入ったのが「ファミ」と書かれただるま。ここに書かれた「ファミ」とは、ヘイがユーザー目線で掲げたスローガン「ファミリア(安心感がある)&トラステッド(信頼性がある)」の略。ヘイ広報担当によると「サービスを利用したユーザーも良いエピソードが共有された際に押されている」とのことだ。
Slack上で社員を快く休日へ送り出す、10X
開発不要でネットスーパーアプリを立ち上げられる「Stailer(ステイラー)」を開発する10X。1位と2位では、「いいね!」や「おめでとう」などを伝えるためのスタンプが並ぶ。3位の「ありがとうございます」は当初は黒色だったためダークモードでは見えないと不評だったところ、本企画にあわせて同社代表の矢本真丈氏がフォントカラーを変更したという。

特別賞に入ったのは「良い休日を」。「Slackで『今日はお休みです』と宣言すると、快く送りだしてもらえます」(同社広報担当)
感謝や謝罪より、共感と賛同を伝えるスタンプが多数
日本人的に感謝や謝罪を意図するスタンプがもっと多く並ぶかと思いきや、Facebookのサムアップアイコンのように「いいね!」と伝えたいときに使われるスタンプが上位にランクインしていることがわかった。
そして、最も企業文化が表れていたのは「特別賞」のスタンプだ。ミッションやバリューを表すスタンプもあれば、社内でのコミュニケーションから自然に誕生したものまで「企業色」が出ていたように感じる。
特に、今は新型コロナウイルスの影響でオンラインでのやりとりが主流になりつつある。だからこそ、Slackには「企業文化が宿っている」と言っていいのかもしれない。さて、あなたの会社ではどのような“企業文化”を表すスタンプが、Slack内に飛び交っているのだろうか。