Photo:kate3155/gettyimages
Photo:kate3155/gettyimages
  • メタバース事業を手がけるANAの子会社が45億円の資金調達
  • サンフランシスコ発のデザインツール「Figma」が日本法人設立
  • その他のスタートアップニュース

東京や神奈川、埼玉、千葉、大阪など18の都道府県で適用されている「まん延防止等重点措置」が3月21日で全面解除されることが正式決定された。新型コロナ対策の基本的対処方針の変更、観光支援事業「Go To トラベル」再開といったニュースが報じられるなど、これから社会は経済活動の回復にかじを切っていきそうだ。

いま、押さえておくべき「スタートアップ業界のニュース」をDIAMOND SIGNAL編集部が独自の視点からピックアップしてお伝えする連載「スタートアップ最新動向-Weekly SIGNAL」。今週は、ANAの子会社・ANA NEOの資金調達、デザインツール「Figma」の日本法人設立などを取り上げた。

メタバース事業を手がけるANAの子会社が45億円の資金調達

コロナ禍で大きな打撃を受けた旅行業界や航空業界。各社が“Withコロナ”に向けた事業戦略を模索する中、大手航空会社のANAグループが着目したのが「メタバース」だった。同社は新しい旅の体験価値を創造すべく、2021年5月にANA NEOを設立。バーチャルトラベルプラットフォーム「SKY WHALE」を開発している。

SKY WHALEは、3D CGで描かれた世界のさまざまな都市や絶景スポットを楽しめる「Skyパーク」、バーチャルショッピング空間「Skyモール」、バーチャル上での医療・教育・行政などのサービスを展開する「Skyビレッジ」という3つのサービスで構成されているバーチャルトラベルプラットフォーム。スマートフォン、タブレット等各種端末からアクセス可能だという。なお、総合プロデューサーにはロールプレイングゲーム「ファイナルファンタジーXV」のディレクターを務めた、田畑端氏が就任している。

2022年内のサービスローンチを予定しており、ANA NEOは開発進めていくために大地みらい信用金庫、三井住友銀行、京都中央信用金庫、南都銀行、京都信用金庫、トマト銀行、佐賀銀行、大分銀行、琉球銀行などからの第三者割当増資のほか融資とあわせて総額45億円の資金調達を実施したことを発表した。

ANA NEOは、ANAグループが培ってきた知見、マイレージプログラムやアバターロボット「newme」で提供している各種サービスなどを最大限活用することで、ビジネスモデルのデジタル化を促進していくことを目指しているという。

サンフランシスコ発のデザインツール「Figma」が日本法人設立

2021年11月、オンラインホワイトボード「Miro(ミロ)」を提供する米RealtimeBoardが日本市場への本格参入を表明したことは記憶に新しい。

そんなMiroの背中を追うように、今度はブラウザー上でワイヤーフレームなどを共同編集できるデザインコミュニケーションツール「Figma(フィグマ)」を提供する米Figmaが3月16日にアジア初の拠点となる日本法人の設立を発表した。

Figmaはデザインツール以外にも、Miroの競合とも言えるようなオンラインで複数人とホワイドボードを共同編集できるツール「FigJam」をリリースしている。

日本法人のカントリーマネージャーには、動画配信プラットフォームを提供する米Brightcoveのシニアバイスプレジデントであり、日本法人の代表を務めていた川延浩彰氏が就任した。日本語版は今後数カ月をめどにリリースする予定とのこと。

Figmaはサンフランシスコ(本社)とロンドンに拠点を構えており、日本は3拠点目となる。直近1年間で登録ユーザーが約2倍に拡大し、デザイナーコミュニティが活発な点が日本法人設立の決め手になったという。

その他のスタートアップニュース

DRONE FUND、3号ファンドを105億円でクローズ

ドローン・エアモビリティ分野を中心に、スタートアップへの投資・支援活動を行うDRONE FUNDは3月16日、3号ファンドの資金調達を105億円でクローズしたことを発表した。主な調達先は政府系機関、事業会社18社および個人投資家とのこと。

前澤ファンド、GROOVE Xの株式の過半数を取得

家族型ロボット「LOVOT」を開発するGROOVE Xは3月15日、前澤ファンドが同社の株式の過半数を取得したことを発表した。なお、2022年4月5日時点で前澤ファンドがGROOVE Xの全株式を取得する予定だという。GROOVE X代表取締役社長の林要氏は職務を継続していく予定とのこと。

フードテックキャピタル、総額1.4億円の資金調達

フードデリバリーサービスの注文一元管理サービス「delico」などを開発するフードテックキャピタルは3月16日、ダイニングイノベーションの創業者である西山知義氏をはじめとする投資家より、総額1.4億円の資金調達を実施したことを発表した。

Masentic、シードラウンドで資金調達を実施

NFT検索プラットフォーム「NFT iD」を開発するMasentic(マセンティック)は3月16日、WERU investment、KSK ANGLE FUND、RiskTakerなどから、シードラウンドで資金調達を実施したことを発表した。

ジークス、4300万円の資金調達

子育て医療アプリ「あんよ」を開発するジークスは、East Venturesを引受先とする第三者割当増資に加え、日本政策金融公庫の新型コロナ対策資本性劣後ローンを適用した名古屋銀行との協調融資によって4300万円の資金調達を実施したことを発表した。

Kyash、49億円の資金調達を実施

デジタルウォレットアプリの「Kyash」を開発するKyashは3月17日、国内外の投資家から新たに49億円の資金調達を実施したことを発表した。

Kinomis、資金調達を実施

NFTベースのコミュニティが所有・運営するDAO型店舗「DeStore」を展開するKinomisは3月15日、East Ventures、F Ventures、Next Web Capital、Orange DAO(YC卒業生限定の投資DAO)、ANOBAKA、East Ventures、ラモン・レクエロ 氏、トーマス・チェン氏、ピーター・ピエカルチク氏、内藤聡氏を含む複数の個人投資家を引受先とする新株予約権による資金調達を実施したことを発表した。

Marindows、約2億円の追加資金調達を実施

船員向けの「労務管理」「安全向上」「健康向上」のサービスを提供するMarindowsは3月15日、井本商運、東京汽船、古野電気、三菱造船を含む合計5社から約2億円の追加資金調達を実施したことを発表した。

HAKKI AFRICA、2.2億円の資金調達を実施

ケニアにおけるタクシードライバー向け中古車ファイナンスを手がけるHAKKI AFRICA(ハッキアフリカ)は3月14日、LaunchPadFund、セゾン・ベンチャーズ、マネックスベンチャーズ、ディープコア、Link-U、エスビーティーを引受先とした第三者割当増資と融資をあわせて2.2億円の資金調達を実施したことを発表した。

Cloudpick Limited、資金調達を実施

ウォークスルー型無人デジタル店舗などの店舗DXソリューションを提供するCloudpick Limitedは3月14日、エプソンクロスインベストメントとグローバル・ブレインが設立した「EP-GB投資事業有限責任組合」とUB Venturesから資金調達を実施したことを発表した。

AI inside、aiforce solutionsの全株式を取得し子会社化

AIプラットフォームを提供するAI insideは3月15日、AI未経験の社員でもビジネスでAIを活用できるサービスを提供するaiforce solutionsの全株式を取得し子会社化すること、および同社を吸収合併することを発表した。