
新型コロナウイルスの世界的流行によって、生活様式が大きく変化した2020年。また日本では体調不良によって内閣総理大臣を辞任した安倍晋三氏の後を受けて、菅義偉首相が誕生。菅内閣の発足後から「デジタル庁設置」を目玉政策のひとつとして掲げるなど、あらゆるもののデジタル化が急速に進み始めている。
そんな1年を起業家たちはどう振り返り、そして2021年はどのような年になると考えているのか。DIAMOND SIGNAL編集部は起業家たちにアンケートを実施。その結果を前後編にわけて紹介する。掲載は五十音順(後編の記事はこちら)。
ミラティブ代表取締役CEO 赤川隼一氏
- 2020年の振り返り
コロナ禍で「オンライン・エンタメ」の変化が一段加速した1年だったと思います。具体的には、あつ森やRobloxなどゲームのSNS化「GaaS(Game as a social network)」の流れが加速し、またAmong Usや桃鉄(桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!)などのヒットゲームに「配信映え」要素が加わったことで、Discordやミラティブなどのサービスが伸長しました。
また、音楽ライブも、BTSなどの桁違いのチケットセールスや、Fortniteでのライブなどオンライン対応が進んだほか、ポケモンバーチャルフェスやバーチャル渋谷など、ヘッドセットに先行して空間のオンライン化も進みました。
そのほか、「Pococha(ポコチャ)」などのライブ配信サービス全般が大きく成長。特に投げ銭・VTuberのARPU(1ユーザーあたりの平均的売り上げ)が加速度的に成長しました。
芸能人のYouTube進出も加速し、公営競技のライブ映像の視聴・投票が可能なインターネット投票サービス「WinTicket(ウィンチケット)」や競輪の投票ができる「Tipstar(ティップスター)」など既存エンタメのDX化なども印象的でした。
盛り上がった理由は言わずもがな、皆外出できなくなったけどエンタメへの需要・渇望は消えなかった、むしろ増した、ということかなと思います。
- 2021年のトレンド予測
「AR(拡張現実)」が意識されない形でポケモンGOやSNOWが流行して一般化したように、「メタバース」という概念が意識されない形でのメタバースがバーチャル空間に生まれつつあると感じています。この流れで、次の「居場所」=「次のSNS」はライブ配信的なコミュニケーションをインフラに成立していくはずです。
アメリカの音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」や日本の「stand.fm(スタンドエフエム)」、アルの「00:00Studio(フォーゼロスタジオ)」などの様子を見ても、ライブ配信は「配信」という概念を超えて「常時接続」のインフラになってきていると感じます。“Zoom飲み”は一過性のトレンドだったかもしれませんが、リアルの生活の様子もオンライン空間にじわじわと垂れ流されていくようになっています。その過程も共有していくことでマネタイズする「プロセスエコノミー」も進んでいくと思います。
5Gの普及はまだまだですが、ドコモのahamoなどの動きもこうした流れを加速させていくでしょう。ここにクラウドファンディングやhours、カウシェなどのグループ購入サービス、BASEやStoresはじめとしたECの民主化、PayPayなどのサービスの一般化・ポータル化の流れなどが混ざっていき、インターネット上でのお金の流れがよりなめらかになっていく1年になると見ています。
分断・孤独が社会問題になった2020年を受けて、自分たちミラティブもオンライン上で人と人をつなぐ居場所としての価値により向きあっていきます。
YOUTRUST代表取締役 岩崎由夏氏
- 2020年の振り返り
副業の市場が大きく拡大した1年でした。副業の雇用側も求職者側も一気に増えて、副業領域としては節目になった一年でした。リモート勤務になった企業が増え、また未来への不透明さから固定費は上げたくないという力学も働き、今までなら「出社してくれないし、副業の人はいらない」と言っていた企業が、副業人材を採用するようになっていきました。
また、求職者側も、リモートワークが拡大して移動時間が減り、さらに社内外の会食機会もなくなったため自由に使える時間が増え、今後のキャリアのために副業をやってみたいとおっしゃる方が増えました。通常の正社員採用という文脈でも、面接のためにオフラインで何度も会いづらくなってしまったので「お試し転職」として、1〜2カ月オンラインで副業として一緒に働いてみることを選考方法の一つとする企業が増えました。
我々としては非常に大きな価値観の変化だと捉えているので、この領域のリーディングカンパニーとして市場を牽引していきたいと考えています。
- 2021年のトレンド予測
2021年は「ポジティブ・アクション」が一般的になると考えています。ポジティブ・アクションとは、管理職以上になると極端に女性比率が少ないなど、男女労働者の間に何かの差が生じている場合、それを解消しようと、個々の企業が行う自主的かつ積極的な取組みのことを指します。
最近では、独立系VCのANRIが投資先の選定にポジティブ・アクションを行うことが話題になりました。彼らの考えは非常に真っ当で、機会が均等なのであれば起業家や役員陣についても男女比は1:1に自然となるはずです。今、実態はそうなっていないことが多く、そのことへの違和感に気付く人が増えたのが2020年だったように思います。2021年は、SDGs(持続可能な開発目標)の観点でも各社対応を余儀なくされると考えています。
SYN代表取締役CEO 大見周平氏
- 2020年の振り返り
食のEC系サービスは大きく成長しましたが、Chompyも含まれるフードデリバリー市場は特に大きく成長しました。2020年は約3000億円の市場規模になりましたが、2019年は1000億円弱なので、3倍以上に成長しました。
この成長を支えたのはやっぱり飲食店舗のデリバリーやインターネットサービスへのマインドの変化が大きいと思います。出店する店舗のジャンル・数が飛躍的に増え、結果的にユーザーデマンドが喚起されました(コロナもあり加速しました)。
店舗売上におけるデリバリー比率が50%ほどまでに高まっている店舗さんも増えてくる中で、いかに上手にインターネット・デリバリーを飲食店経営に組み込むかが重要になりますし、プラットフォームとしては変化する店舗さんニーズに向き合いながら、最終的にユーザーが求めるものを作れるかが大事と思っています。
- 2021年のトレンド予測
個人やSMBをエンパワーメントするサービス・ポテンシャルを引き出すサービスは引き続き注目しています。また、それを極力ソーシャルな形で実現するサービスがトレンドの中心になって行くと思います。
コロナによって何かしらの商いをしている人たちが「オンラインにファンアセットを持っていないリスク」と「オンラインのファンコミュニティをマネタイズできないリスク」を強く感じるようになったと思っています。ソーシャルメディアと各種ノーコード系サービスにより個人やSMBがチャレンジする環境が日に日に便利になっているので、個人やSMBのやる気と才能次第で大きな熱量を生み出すことができるようになっていると思います。
そんな大きなうねりの中で、汎用機能はアンバンドルされ、無駄な中間機能は淘汰され、ニッチマーケットがバンドルされ、を繰り返して行くんだと思います。
ヘイ代表取締役社長 佐藤裕介氏
- 2020年の振り返り
フードデリバリーやオンライン接客などもすべて“商取引の電子化”と考えると、狭義の意味でのEコマースの大きな伸長も含め、2020年はEコマースの年でした。さらに広い定義で捉えると、Eコマースは世界のデジタル化であり、オフィス空間やカフェで友達とおしゃべりするといった時間も、ZoomやDiscordに置き換えられています。
そういう意味で2020年はメタバース(インターネット上に構築される仮想の三次元空間のこと)が初期的なスタートを切った年と認識されるのではないでしょうか。
- 2021年のトレンド予測
仮想世界、オンライン上で多くの時間を過ごすことについて関心があります。仮想オフィスともいえるZoomやSlack、Teamsはもちろん、DiscordやBunch、日本でいえばリアクト社の提供するパラレルなどのコンシューマ向けコミュニケーションインフラと、Fortnite(フォートナイト)、Minecraft(マインクラフト)、あつ森(あつまれ どうぶつの森)、Among Us!、ROBLOX などのコンテンツです。
コロナ禍で生活主体のオンライン移行が加速し、インターネット上の仮想空間にオフィスがあり、友達とのたまり場があり、そこで過ごす時間が大きくなったことはワクチンが流通し感染リスクが下がった場合においても不可逆ではないかと思います。
グッドパッチ代表取締役社長 土屋尚史氏
- 2020年の振り返り
コロナによってDXの流れが加速した一年だったと思います。広い意味でDXと呼ばれる領域が想定よりも早く加速しました。
toCの領域では、人々の移動が制限されてリアル店舗に足が運べなくなり、自宅で消費行動をすることによりECが大きく伸びました。toB文脈では、今までリモートワークを行ってこなかった会社が、強制的に移行し、リモートワークで機能するツールやサービスの分野が大きく成長しました。この一年は、より消費者がシビアになり本質的に価値のある領域が伸び、それ以外のサービスが淘汰される一年だったのではないでしょうか。
リモート文脈でいうと、Goodpatchも「Strap」というクラウドワークスペースツールをリリースしましたし、完全リモートでデザイン支援を行うGoodpatch Anywhereというチームを組成しています。たまたまではありますが、このコロナの経済環境の中で追い風になりました。
- 2021年のトレンド予測
すでにDXは大きなトレンドになっていますが、2021年、特に注目なのは「行政のDX推進」です。2021年は政府がデジタル庁の立ち上げを検討しており、関連予算だけでも3000億円の予算が組まれています。省庁全体の補正予算では、国家予算の100兆円のうち1兆円がデジタル関連に使われるという記事も出ており、行政のDX推進に対してサービス提供する企業は非常に注目度が高いと思っています。
KOHKOH代表取締役社長 ハヤカワ五味氏
- 2020年の振り返り
toC領域で言えば、誰かとの関係の中や体験などに使う消費よりも、自分や生活に使う消費が増えたのは間違いないと思います。具体的には、ルームウェアや観葉植物、製菓、インテリアなどです。コロナ禍で自宅で過ごす時間が増えたことで、住環境の見直しも多く、引っ越したり、マンションを買ったりする人も増えたように見受けてます。
その一方で、前者の「誰かとの関係の中」で使うお金に関してはコロナが落ち着いたとしても戻る見込みはないんじゃないかなと思っています。なぜなら、「何となく飲みに行こう」といった飲み会の数は減りましたし、外出自粛の結果、自炊をせざる得なくなった人たちが「思っていたよりも自炊って安上がりだな?」ということ気づき、出費に渋くなり始めているのではないか、と思うからです。
- 2021年のトレンド予測
オンラインでの資産形成と、それに関連した「InsurTech(インシュアテック)」かなと思っています。コロナで在宅時間が伸びたことにより広く生活の見直しがあり、自分自身のことを見直している人が多いような印象を受けています。その結果として結婚やローン組みなどの大きな決断を取っている人が身近でちらほら出てきており、この動きはもう少し広く起きるのではないかなと思っています。
その傾向が強くなってきた際に気になるのが、自分自身の資産状況についてです。金融庁が「老後には厚生年金以外に2000万円が必要だ」という発言に端を発した“老後2000万円問題”もありますし、コロナで世界情勢も自身の雇用も先行き不安になってくると、それらを今後どうしていくかに注目が集めるのではないかと思っています。
そのため、オンラインでの資産形成や、それに関連して保険関連(日本では金融商材的な見られ方もするので)、場合によってはそれらのコーチングをするFPサービスみたいなのも需要が高まるのではないか、と思っています。お金系のサービスは最近特に力を入れてウォッチしていますし、私も女性向けにお金系のサービスをやってみたい気持ちあります。
LayerX代表取締役CEO 福島良典氏
- 2020年の振り返り
「個人の資産運用」「CBDC(中央銀行デジタル通貨)」「業務のデジタル化」の3点に注目が集まった年だったと思います。今年は未曾有の財政出動により、いわゆるお金の価値が減り、不景気なのに株高、コモディティ高となりました。また、アンチインフレ資産であるビットコインはバブルと言われた2017年以来の200万円をつけており、株価も各国で過去最高レベルの水準に達しています。
それを受けて個人の資産運用も活発になりました。ウェルスナビの上場、各種投資型クラウドファンディングの勃興、PayPayの普及による銀行預金から電子マネーへの滞留の変化により、個人の資産運用サービスが大きく成長した1年でもありました。
この傾向は来年以降、さらに加速すると思っています。CBDCはいよいよ中国で実証実験が始まり、各国もそれに追随。日本でも日銀がPoCの主導を発表するなど、お金のプログラマブル化にとって歴史的な一年になりました。来年は実際に動くものが各国から登場し大きく動くはずです。業務のデジタル化は、まずペーパーレスが始まりました。今後は証券、請求書、契約書、稟議、行政手続など、「価値を規定するデータ」が単なるペーパーレスではなく、周辺の業務フローまでデジタルなものになり、劇的な生産性向上を起こすと思います。
- 2021年のトレンド予測
「個人の資産運用」「CBDC(中央銀行デジタル通貨)」」「業務のデジタル化」が盛り上がると予想します。デジタル化は単なるチャネルのデジタル化にとどまらず、経済のデジタル化まで進んでいくはずです。投資資産運用、通貨決済システム、”価値”が関わる業務のデジタル化(民間のみならず行政も)が加速していくので、LayerXは変わらず、この変化に必要とされるプロダクトの提供・R&Dを行っていきたいと思っています。
SHE代表取締役CEO 福田恵里氏
- 2020年の振り返り
2020年はコロナ禍によって、より人材の流動性が加速した年でした。終身雇用の崩壊や転職率の上昇は言われて久しいですが、ANAなど大企業の副業解禁も相まって、いよいよ企業組織への帰属意識の低下は免れられないものになってきたと感じます。多くの企業が人材開発費を抑え、労働者自らがスキルや知識の装着を求められる流れの中で、今年盛り上がったのは社会人の学び直し、いわゆるリカレント教育市場だと思います。
転職保証・成果報酬型で職能教育を行うプログラミングスクール等の需要拡大や、Newspicksの「NewSchool」、GOの「THE CREATIVE ACADEMY」などスタートアップのスクール領域参入も増えました。私たちの運営する「SHElikes」もその一つです。コロナによって教育のデジタル化も加速し、サービス体験時間の細切れ化や在宅学習が主流になったことで、今後更にこの領域の需要は高まっていくと感じています。
また投資環境でいうと、BASEやheyに始まり、スタートアップが続々と2桁億円以上の大型資金調達をする事例が目立ちました。海外の機関投資家からの調達も多く、より選択肢がグローバルに広がっている事を感じる年でした。
- 2021年のトレンド予測
2020年は、コロナやアメリカ大統領選挙によって、より個人の分断や格差が助長されてしまった年でもありました。こうした背景を踏まえ、2021年は、孤立化した個人を繋ぐ「コミュニティテック」領域が盛り上がる事を期待しています。
余暇時間の増加と希薄化された所属欲求を埋めるニーズが加速していく中で、オンラインで誰とでも繋がれるからこそ、よりパーソナルマッチした所属コミュニティの選択が可能になり、コミュニティ起点での新しい働き方や共創体験が加速すると考えています。また、ANRIなどD&Iに力を入れるVCも徐々に現れている事から、2021年は更に起業家・投資家の女性比率が増え、スタートアップダイバーシティが生まれてくる事も期待しています。
アル代表取締役CEO 古川健介氏
- 2020年の振り返り
デジタル化が進んでいくだろうけれど、時間がかかりそうだったものが急激にデジタル化した年だと思います。例えば、仕事の会議はもちろん、採用面接や投資のピッチ、ヨガのレッスンや音楽ライブを、習い事などです。「可能ではあるけど、全然やりたくない」と僕ですら思っていたのですが、今年はすっかり当たり前になりました。ITに慣れていない人でも、英語のレッスンや会議などをデジタル化しており、浸透したと思っています。5年かかりそうなものが、1年で来た、という印象です。
当然、新型コロナウイルスの影響でそうなったのですが、1年近くやった結果「もうこれでいいよね」というものも増えてきているので、みんなの当たり前がアップデートされてデジタル化に向かった年だと感じています。
- 2021年のトレンド予測
ライブがさらに一般的になると予想しています。2010年代はモノ消費からコト消費に変化した時代でしたが、2020年代は“トキ消費”になると言われており、今この瞬間にしかない生のものの価値があがっていくのではないかと思います。その中で出てくるのが「プロセス・エコノミー」です。アウトプットでのマネタイズだけではなく、プロセスそのものを生で出して、お客さんとやり取りをするところですでにお金が回る、というものが出てくると予想しています。
そしてもうひとつ、1対1ではなく、N対Nのライブコミュニティは盛り上がりそうです。友達が2〜3人見ている中で、自分と誰かがしゃべる、というような、生の会話を誰かが見ている……というような場は盛り上がりそうな予感がしています。
SmartHR代表取締役・CEOの宮田昇始氏
- 2020年の振り返り
「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」というと曖昧な回答に聞こえますが、業界や地域を超えて各所で「デジタル化を通して、新しい顧客体験をつくること」を実行に移しはじめた1年だっと思います。
これまでオフラインでの対面販売や、書類やハンコを基本とした手続きが主流でしたが、コロナ禍を機に、非接触やリモートワークを前提にした、新しい顧客体験をつくることが必要になりました。その実現をサポートするプレイヤーに注目が集まっています。
DXは、なにも事業側に限った話ではありません。例えば、バックオフィスは、一般的には顧客から遠く見える部署ですが、バックオフィスにとっての“顧客”は、実はその会社で働く「従業員」であり、従業員体験を変えようとする動きも生まれています。
もちろん、この新しい顧客体験をつくることは、全く新しいアイデアだけではありません。そのほとんどが以前から議論されてきたことで、これまでは「重要だけど、緊急ではない」「今はまだタイミングじゃない」「急にやり方を変えるのはちょっと……」と、何年も先延ばしにされてきたものがほとんど。「いつかやりたいね」の「いつか」が、コロナをきっかけに突然訪れた印象です。
- 2021 年のトレンド予測
個人的には、2000年代につくられたIT製品が今もなおデファクトスタンダードになっているような、すでに勝敗が決しているレッドオーシャンな市場のディスラプトです。
そこにスタートアップが2021年らしいUX(ユーザーエクスペリエンス)のプロダクトで参入し、市場を一気にひっくり返すことを期待しています。
例えば、ビデオ会議や社内チャットがそうでした。2000年代にはSkypeなどがデファクトスタンダードになっていた領域です。既に市場ができあがっていて、レガシーなプレイヤーたちがたくさんいるが、旧態依然としたUXで、現代的なコミュニケーションとはあまりマッチしていない。そんな領域に現れたZoomやSlackが一気に台頭してきました。
単にUXが良いSaaSというだけでなく、バイラル性質を持ち、シャドウITや部門導入で小さく大企業に入り込める製品は、より成功が期待できると思います。
10X代表取締役CEO 矢本真丈氏
- 2020年の振り返り
自分のフォーカスする領域以外はあまり詳しくないのですが、コロナ禍の影響による「コンタクトレスに経済活動を行うためのインフラ」は領域を問わずに大きなニーズが顕在化したのではないでしょうか。コミュニケーション、ワーキングスペース、エンタメ、買い物、物流、決済、コーポレート管理……など挙げればキリがありません。
ネットスーパーもその一つだと考えています。これまで対面で行うことがスタンダードだった経済活動がデジタル技術を活用してコンタクトレスに大きく移行するきっかけになったと思います。
- 2021年のトレンド予測
トレンドについても全く詳しくないのですが、様々な優秀なソフトウェアサービスが顧客の特定のジョブを解決するコアプロダクトから、顧客の経済活動全体を支援するWhole Product(ホールプロダクト)と呼ばれる概念に近づいていっていると考えています。
特にスタートアップが展開していて、顧客に深く突き刺さっているSaaSやエンタープライズ向けのプロダクトで顕著になってきており、2021年はより多くの事例を目にすることになるのではないかな、と思っています。Whole Productの具体例はこちらのPodcastでも話しているのでぜひ聞いてみてください。